2012年2月2日木曜日

その”こだわり”は心からの追求?それとも防衛反応!?

発達障害について説明している書物などに、”こだわりが強い”という表現を良く見ますね。
保護者の皆様も「うちの子はこだわりが強くって...」と、お子様の対応に困っている様子です。
↑私も昔はそうだったので安心してくださいね(^^)

さて、今日はお子様の ”こだわり” について、一緒に考えてみましょう。

一概に”こだわり”といっても、
○心から追求したい事柄なのか、
○単に同じ事を何度も繰り返したいのか、
または、
自分の持つネガティブなイメージの中で、これから起こりうるを何かを避けるために執着している(防衛反応)のか、
など考えられます。他にも様々な要素が複合的に”こだわり”というかたちで現れているのかもしれません。

当支援室のグループコミュニケーション指導の中で、よく見られるのはお子様の持つネガティブなイメージ的結論から起きる防衛反応としての”こだわり”です。
決して、単に”こだわり”が強いだけではなく、自分にとって何か良くないことが起こるであろうというお子様のイメージが起因しています。この状態の時のお子様は感情的に不安や恐怖、悲しみ、時に怒りを抱えています。
ですから、お子様に安心を与えることが、最優先課題となります。
お子様の持つネガティブなイメージから結論づけられることについて、今は起きていないということを体験を通して心にとどくように繰り返し伝えていきます。ここでのポイントはお子様が繰り返し体験することです。もちろん支援者のあり方も重要です。一度でなんとかしたい気持ちになると思いますが、イメージの修正には繰り返し体験することが大切です。(余談ですが、体験を積み重ねて学ぶことを”成長”っていいますね。支援者もお子様も双方に、そこから学び成長していきます。)
その他、視覚的な情報処理が得意なお子様でしたらソーシャルストーリーも有効です。
そして、何よりも有効なのは、”自分のそばに自分のことをわかってくれる人がいる”という安心感です。

という訳で、(まとめに入りますが、皆さん大丈夫でしょうか?)
”こだわり” にもいろいろあります。
お子様の ”こだわり” には、お子様独自の何かのイメージが作用していませんでしょうか?
”こういう子だから”と決定する前に、もう一度良く見てあげてくださいね。
個人的な経験をふまえても、親も子どもも、この作業を通して心からの安心感が生まれてくるので、とても大切なプロセスです。Yukie


※「こういう時はこうするの!!」と強く型だけで教えるというのは、心理的な立場で言い換えると『意志の力を使って感情を押さえてがんじがらめにする』ということです。単発的な事柄には有効ですが、日常的・長期的な事柄に対して、意志だけの力ではいずれ無理が生じます。人は感情が伴うことによって豊かな人生になりますので、意志と感情のバランスもまた重要なポイントとなります。