2012年12月6日木曜日

「思いやり」のすすめ

今日は、お母様方の悩みの中でも比較的多い、「うちの子は、友達と一緒に行動ができない(遊べない)」について解説していきます。


このようなお子様をみる場合、当支援室では、まず、大きく次の二つのことを確認します。
○「集団そのものを意識できず、自分勝手な行動をとる場合(人とのコンタクトが非常に苦手な場合)」
○「周りの子と、単に興味・感心が違い集団に参加しにくい場合(比較的良好に人とコンタクトがとれる場合)」
※もちろんその他の要因を含め混合しているケースも多数あります。

人とコンタクトがどの程度とれるかが指導のポイントになります。
そもそも、「人とのコンタクトが非常に苦手」なタイプのお子様には、安心できる人間関係が何より大切になってきます。(こちらの詳細は別の機会に)

次に、今日のテーマにつながる、「周りの子と、単に興味・感心が違うだけで、人と比較的良好にコンタクトがとれるお子様の場合」についてです。この場合、ご家庭において、周りの子に合わせるように指導しているケースが多く見られます。
しかしながら、当支援室は子どもの個性をなによりも大切にしたいので、集団行動については教えますが、個人の興味・関心についてまで周りの子に合わせる指導は行いません。
ましてやロボットじゃあるまいし、逐一 形で、「こんな時はこうする」的な教え方もしません。それでは、何を伝えるかというと、それは「思いやり」です。
※もちろん「思いやり」を理解するために、子どもの「こんな時これで良い?」の疑問には丁寧に答えます。
例えば、友達に自分とフィーリングが合わない遊びを一緒にしようと言われた時、一緒に遊ばないと仲間はずれにされると不安を感じる方(親子共に)が多いようですが、それは違います。
一緒に遊びたいと思ってくれた人に対して、思いやりをもって、心(好意)を受け取り、自分の気持ちを伝えることができるなら、たいてい上手くいきます。仲間はずれになんてされません。仮に、それでも運悪く、仲間はずれにされてしまったなら、自分に合わなかっただけです。被害者になることなく、もっと自他を大切にしている人達に目を向けてみましょう。「もうこれで一人ぼっち」なんて思わないでください。そう思った瞬間から誰を見ても信頼できなくなります。可能性を広げて良く見てみましょう。必ず理解者はいるものです。
(仲間はずれにされるケースの多くの場合、相手の好意を受け取ることができません。相手の好意を受け取ったら、絶対に、嫌なことでもやらなきゃいけないと信じているケースもあります。この場合は、相手の気持ち(好意)を受け取ることに、安心感を得ることができる経験を積み重ねると上手くいきます。親子関係は、子どもにとって人間関係の基盤になります。ぜひ親子関係で練習してみて下さい。)

さて、いろいろ脱線しましたが、大切なことは、自分を無くして周りに合わせるのではなく、自分を大切にしながら周りに思いやりを持つことです。
作られたものではない自然発生的な思いやりを持った人は、どんな個性であろうと、人として大変魅力的なものです。

※近頃、人と比較的良好にコンタクトがとれるお子様で、周りの人に合わせすぎて、ひどく弱っているお子様を目にする機会が多く、お伝えしたくなりました。Yukie