2010年3月9日火曜日

今日ももちろん がんばっています!

表題の言葉は、NHK教育テレビで放送していた
「カラフル! ~世界の子どもたち~」の先週回のタイトルです。

この回の主人公は横浜市に住む小4の男の子です。
彼には自閉症という障害があります。
通常学級に所属していますが、校内通級にも通っており、
登校すると、それぞれのクラスの先生に挨拶をし、
休み時間になると、通級の友達と「静かで落ち着く」と遊んでいる様子も伝えられました。



自閉症という障害のため、
周りの友達と感じ方が違ったり、
場面や物語に登場する人物の気持ちが想像しにくいという特性が紹介されました。
実際に国語の時間の様子が映っていましたが、
周りの子が発言したり、聞いたりして授業が進む中、
どこか、遠い世界にいるような表情。
隣の席の友達に声をかけられて「はっ」とするような反応をするところもありました。
もし、授業の流れが耳に入っていなければ、
よくいわれる「お客さん」状態でした。

そんな彼は、漢字を覚えることができるので、
漢字テストに向けて練習し始めます。
休み時間、一人黙々とドリルに書き込み、
家では机に向かいノートに練習です。
テスト前日は、本番のつもりになって練習していました。
「しっかり、書ける」とお母さんに話すものの、
「もう1回書いておいた方がいいんじゃない」とささやかれると、
「あっ」と、また練習です。
テストの結果、22人呼ばれた満点メンバーの中に彼は入っていました。
「初めてだ」と言いながら嬉しそうに受け取ったテストを束に重ねていました。
そして「この調子でいかなきゃ…。」

番組の中の彼を見ていて、何よりも嬉しくなったのは、
自分の得意なものについて、
まっすぐに頑張ろうという姿勢でした。
兄弟をはじめ、家族があたたかく彼の努力を支えている様子もなるほどと思えました。

彼の努力の姿は、
本来、もち合わせている気質のようなものもあるかもしれませんが、
周囲のあたたかさもかけがえのない要素だと思えます。
決して、うまくいくことばかりではないかもしれません。
それでも、
彼が頑張っていること、頑張ろうとしていることを周囲がちゃんとわかっていること、
安心して、努力できて、表現できる環境があること…。
これが何よりも大切なことなのではないでしょうか。

コンブリオもそんな場所のひとつでありたいと願っています。