2010年3月19日金曜日

コンブリオの生徒さん

今回は、コンブリオに通う生徒さんの一人についてです。
この生徒(男の子)さん、初めて会ったとき、
とても恥ずかしがり屋さんかな?という印象でした。
それでも話してみると、
自分のことについて、聞かれたことを思い出したり、
相手に伝わるように一生懸命答えようとしたりしていて、
とてもまっすぐで、優しい子なんだなと思いました。

その彼が、教室に来た第1回目。
「まずは、何ができるようになりたい?」と尋ねると、
彼は少し考えて、
「かけ算九九。7の段と8の段…」
と小さい声で答えてくれました。
「じゃあ、できるように練習しよう」
と最初はゆっくり、繰り返すことから始めました。
その日の授業時間が終わる頃には7の段がほとんど言えるようになりました。
彼にとっても、それは嬉しいことだったようで、
次も頑張ろう!と帰っていきました。

それでも、少し時間が空くと「あれれ…」というケースが多いのですが、
やはり、彼も次の回には、前回のようにはうまく唱えられませんでした。
「がっかりするのかな?」と思って見ていると、
もう一度、練習しようという仕草をします。
練習のやり方は前回、理解していたので、
その通りやってみます。
すると、2回目にして7の段達成です。
今まで数年なかなか最後まで言えなかった7の段。
ちょっと自信がなさそうなところ教え、
家での練習方法(家のお風呂には九九表が貼ってあるとか!)をアドバイスをしました。
「今度は8の段」
そういって帰りました。
お迎えにくるお母さんたちもその様子を心から褒めてくださいました。

そんな努力を繰り返し、8の段も達成。
時間をおいてもほぼ間違えることなく唱えることができるようになりました。
だからといって、全く不安がなくなった訳ではありませんから、
今後、定期的に確認の機会が必要だと思います。

彼の学習内容習得についての様子は、
短期記憶・長期記憶といった言葉を使って説明することができるでしょう。
今回は、その専門用語を使った表現ではなく、
彼のあきらめずにやってみようという努力に向いた姿勢と
その努力によって、彼の中に芽生えた自信を大切にしていきたいというご家族を中心とした
あたたかい環境をお伝えしたいと思いました。

コンブリオは、こういったお子さんが一人でも多く増えるようできる限りのお手伝いをしていきます。